初めての方

医療は「社会貢献」です。

医療法人社団 グリーン会
森本クリニック院長・理事長
森本 勝 Masaru Morimoto

  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 麻酔科標榜医

さまざまな経験を重ね、医師としての力を培う

医師を志した理由を教えてください。

私の家系は、父が産婦人科の開業医だったことをはじめ、母方の祖父が無医村の内科開業医、伯父が小児科医という具合に、医療に関わる人間が多くいました。若い頃はそのような環境に反発する想いもあり、いろいろな世界を見てみたくて農学部や工学部、獣医学部などを転々としましたね。

しかし、「コレ!」というものが見つからず、大学を辞めて天ぷら料理のお店で板前のアルバイトをすることに。本格的に働いてみないかとも声を掛けてもらったのですが、私としては本職にする考えはなく、お断りしました。ちなみに、現在でもホームパーティーなどをする際には私が天ぷらを揚げて振る舞っています(笑)。

今でもよく覚えているのですが、22歳のときに改めて自分の進むべき道を真剣に考えました。三日三晩、ろくに食事もとらずに考え抜いた末、辿り着いたのが医師という選択肢。自分がやりがいを感じながら続けていける仕事はこれだと想い、それからは中学・高校の勉強を必死でやり直して、23歳のときに金沢医科大学に入りました。

医学部を卒業してから開院までの経緯を教えてください。

医師免許を取得してからは、父に倣い、金沢医科大学と富山県立中央病院で産科・婦人科の医局に入って経験を積みました。当時は臨床と学会発表でハードな日々を送り毎日1時間程度しか睡眠をとっていませんでしたね。しかし、徐々に外科に対する興味が湧いてきたこともあり、富山医科薬科大学(現富山大学)の麻酔科・ペインクリニックに移ることにしました。

外科は麻酔の補助なくしては、治療できませんので、まずは麻酔の知識を身に付けようと考えたのです。そこで十分な経験を積んだ後、今度は学んだ知識の応用として実際に外科に携わるべく、日本医科大学の救命救急センターに入ります。その間、脳神経外科などの研修もしたのですが、「自分は外科のなかでも消化器を専門にしていこう」という気持ちが徐々に出てきました。そこで、さらに新東京病院で消化器内科、東京大学医科学研究所消化器外科の傘下で研鑽を積むことになったのです。こうしてさまざまな経験を積んだ後、2002年に縁あってこの地に開業することとなりました。

痔・鼠径ヘルニアの日帰り手術、小児科専門外来にも対応

クリニックの特色について教えてください。

開院するにあたっては、「赤ひげ」を目標に、これまで研鑽を積んできた外科も取り入れた地域医療を行っていこうと決めました。地域医療でやっていく以上、患者様のどんな悩みにも対応し、解決へとつなげていかなければなりません。専門外だからといって患者様を追い返すなどはもってのほか。患者様の期待に応える姿勢・度量をもってこそ赤ひげと言えるでしょう。

もちろん、すべての症例を私1人が治療していけるわけではありませんので、必要に応じてより専門的な医療機関へ紹介することもあります。当院では地域の各クリニックや高次医療機関などと連携を取りつつ、どのような患者様も適切な治療に導いていける体制を整えています。

とくに小児科に関しては毎週木曜日に小児科専門医による専門外来を実施しています。小児の診療はその後の人生に大きな影響を及ぼすものであるため、専門的な視点がたいへん重要です。実際に脳の発達に関連するような先天性疾患も見つかったりするため、しっかりとした診断を常に心がけています。

クリニックで内科以外に外科手術も行っているのですか?

どのような外科的治療を行うかですが、私が責任を持って診ていける範囲は限られていますし、大規模な設備を必要とする手術はここではできません。

当院では痔と鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応していますが、痔の場合はPPH痔核手術や注射療法でなるべく痔を切らずに治療し、鼠径ヘルニアはクーゲル法といって日常生活に支障をきたさない方法で行っています。どちらも侵襲性が低いため痛みはほとんどなく、早期に回復していただけます。

外科ということで言えば、ほかに熱傷や外傷などにも対応しています。基本的には湿潤療法によって皮膚組織の再生を促す治療を採用しているので、速やかかつキレイに治癒させることが可能です。

麻酔の知見と、検査技術を活かした苦痛のない内視鏡

内視鏡検査にも対応していますね。

はい。内視鏡検査は上部内視鏡(胃カメラ)および下部内視鏡(大腸カメラ)の両方を実施しています。一般に胃カメラは「苦しい」というイメージをお持ちの方も多く、それががんの早期発見・早期治療の妨げになってしまっている現状があります。

そこで当院では喉の麻酔を行わず鎮静剤を使い、眠っている状態で検査を実施することにより、一切苦痛のない胃カメラを受けていただけるようにしました。この鎮静法では麻酔科で培った知見を活かし、一人ひとりの年齢や身長、体重、脱水状態などを見極めた上で鎮静処置を行います。

自然な眠りに近い状態を作り出しているため、検査後は速やかに気持ち良く目覚めることが可能です。2時間程、リカバリースペースで休んでいただければ、すっかり回復できますので、「午前中に検査を受け、午後から仕事に出る」という方もいらっしゃいます。

大腸カメラはどのように行っているのですか?

大腸カメラの場合、鎮静剤などは一切使いません。大腸カメラでは膨満感やカメラが腸壁を突っ張らせることによる伸展痛が検査時の苦痛として挙げられますが、実のところこれは医師にしっかりとした技術がありさえすれば回避できることです。当院では患者さんと一緒にカメラの画像を見て、お話ししながら検査を進めていますが、苦しいと訴える方はまずいらっしゃいません。

また、検査前の準備に関してもなるべく患者さんの負担にならないよう、二つの準備パターンをお選びいただけるようにしています。一つは検査前日の朝昼晩の食事に検査用のメニューを食べてもらい、翌朝に液体の下剤を1000cc飲んでいただく方法。もう一つは検査前日の夕食を消化の良いものにしていただき、翌朝、錠剤の下剤を飲んでいただく方法です。いずれもしっかりと食事がとれ、下剤を飲む負担も軽減されるので、検査をより受けやすく感じていただけるのではないかと思います。

検査でがんが見つかることもあるのですか?

年間何例かの割合で早期のがんを見つけることがあります。その場合はご希望の病院をお聞きして適切な病院へ紹介しています。実際、速やかに対応して手術を受けて助かったりもしているので、定期的な内視鏡検査は非常に重要です。

がんは早期発見・早期治療に勝る治療方法が今のところありません。40歳を過ぎたなら胃カメラは年1回、大腸カメラは3年に1回のペースで受けることをお勧めします。

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